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      株式会社ルスコム

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   当社独自の電鋳製造法によるNiの微結晶化、多結晶状態への変化及び、弾性変形を
   容易にするヤング率の変化について、応用物理学会にて発表されました。


Ni超微細管 TEM(×45万倍)

抵抗試験によるヤング率測定例



   第67回応用物理学会学術講演会 第1分冊p.237,
   論文番号31a-M-3(2006年8月31日)立命館大学びわこ・くさつキャンパス.

電鋳法により作製されたNi超微細管の特性

Characteristics of electroforming Ni super-micro tubes
東京工科大学, ○三田地成幸、田島雄太、今村義宏
Tokyo University of Technology, Seiko Mitachi, Yuta Tajima, Yoshihiro Imamura
E-mail: mitachi@bs.teu.ac.jp

   1.はじめに
     半導体・液晶検査用コンタクトプローブ分野をはじめ、燃料電池関連分野、バイオ、メディ
     カル、工業用精細ノズル分野、光産業分野等で注目されている電鋳法により作製された
     Ni超微細管の特性に関して検討を行った。本報告ではその結晶粒サイズと機械的特性に
     ついて報告する。

   2. 実 験 
     特性評価に用いたサンプルは(株)ルスコム製の電鋳法にて作製されたNi微細管で、外径
     32.9μ〜606μ、内径27.8μ〜596μで長さ約100mm前後の管状形状を有している。
     電鋳出発材である球状インゴットNiや電鋳Ni厚膜も比較用とし用いた。Cu−Kα1を線源
     とする粉末法X線回折(MX-Labo)測定及びSEM(JSM-7700F)、TEM(H-9000UHR)
     観察ならびに抗折試験による曲げ弾性変形におけるヤング率の測定を行った。

   3. 結果と考察
     X線回折の結果によると、2θ/θの76度から77度に存在する回折ピーク半値幅は、球状
     インゴットのNiでは0.3588度であるのに対し、電鋳Niの微細管を細かくカットして敷き詰めた
     サンプルでは1.1902度と3倍以上の幅を持っている事が明らかとなった。
     比較の為の銅版電極に電鋳したNi厚膜では1.3495度であった。このことから電鋳法による
     プロセスは結晶成長が抑えられた微結晶状態の粒子の集まりになる可能性が示唆された。
     そこで、電鋳法による厚膜と球状インゴットのNiのSEM観察を行った結果、インゴットでは約
     800〜1200nmの大きな結晶粒による多結晶状態が観察されたが、Ni厚膜では強磁性に
     よる影響で焦点がぼけた画像ながら数十nmの結晶粒の存在が示唆された。微細管の
     TEM観察を行うと、約15〜55nmのナノサイズ微結晶から構成されていることが分った。
     次に電鋳法によるNi微細管の曲げ弾性率を3点による抗折試験から求めると、平均167
     GPaというヤング率が得られた。これは通常Niのヤング率199GPa(軟),219GPa(硬)より少し
     低い値である。
     このことは、電鋳によるNi超微細管は弾性変形し易くコンタクトプローブ材としては好適な
     特性であると言える。
     これはナノサイズの微結晶粒から成る多結晶体であることから生じた特性と考えられる。


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